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2004年 06月 13日
2−1 一瞬にして全てが変わるとはこういうことを言う。 勝者と敗者の光と影。ジネディーヌジダン。 バルデスがベッカムのPKを止めた瞬間に全てが変わった。 あれを止めていなければフランスは完全にこの大会終わっていたかもしれない。この試合はバルデスがフランスを救った、というよりもバルデスが試合の流れを変えてそしてジダンが試合を決めた。フランス代表は個人が個人に依存しすぎていたように見えた。自分が自分がというそんな感じ。リズムは最低でまるでENGLANDという蟻地獄にはまっていたような気さえした。VIELAとマケレレのあのダブルボランチの横と縦のスペースが試合始まった時から気になっていた。FWの2トップ アンリとTREZEGETは何本シュートを打ったのだろうか?かれらは決して調子がいいとは言えなかった。最低というよりもENGLANDの布陣を考えればシュートを打てない状況は普通のことだったかもしれない。それはFWとしての動きにしろシュートのアイディアという部分でというよりもENGLANDのあのDF陣の引き方はとにかく半端じゃない。ゴールエリアの中に何人いたんだろうか?とにかくすごい人数があのエリアの中にいたあれではサイドからいくらクロスを入れたところで全て跳ね返されてしまう。それをわかっていてもフランスはそれを何回も繰り返し試みた。中からと外からを繰り返し繰り返しやっていたけれどもあれだけの人数にあのエリアを守られていては数的に不可能に近い。やはり打破できるのはセットプレイだと思っていた。中からの攻撃にもアイディアが無かった。 FWの二人アンリとトレゼケはイングランドという蜘蛛の巣に引っかかってしまったような気がした。最後にその蜘蛛の巣から逃げることができPKを取ったのだけれども・・・ FW二人が身動きができないほどENGLANDのDF陣の数も多かったしZIDANEもアイディアをみつけられないでいた。それなのに、それだからかマケレレがメイクしようとしていた。周りが見えていないなーと思う場面が何回かあった。まあそれはマーカーがいなかったからできたということもあるけれども。 ENGLANDは相当気合が入っていた。この試合は事実上決勝戦と言ってもおかしくないすごい全世界が注目するカードだった。RUNEYの若さというか大人気ないプレイが気になった。相手に噛み付いたりする。ああいうのはチームのリズムが雪崩のように崩れるということを彼はまだ失敗をしていないからわからない。ベッカムはそれを経験して知っている。98年しかり2000年しかり・・というよりもENGLANDのファールの多さ。でもそれは勝つためだからしょうがないといったらそれまでで・・・ でも後ろからとかそういうのはやっぱり気になる。選手の怪我とかにつながってしまうわけだし。VIELAとかに入ったランパードのファールとかスコールズのファールとか。本当に勝負にこだわって勝ちに行ったということなのかもしれないけど・・・ そして審判の判定のわけわからなさがちょっと気になった。サッカーの試合において一番最低な出来事は審判によって試合を滅茶苦茶にされてしまうことだ。 ZIDANEというアーティストによって本当に劇的な試合になった。 本当に劇的だった。ロスタイムに2点。ボールをセットしてる時間がゆっくりだった。そして決めたFKの軌道は鮮やかで綺麗だった。GKジェームズはただそれを見送ることしかできなかった。金縛りにあってしまったかのように動くことができなかった。ジダンの集中した一蹴りがフランスを救った。ZIDANEはこの試合少しいらいらしているように見えた。自分もチームも思い通りにゲームが運ばないというか。表情にはあらわさないが明らかにイラついていた。ゲームの途中、なんというか途中思いっきりふかしたようなシュートが二本ほどあったけれどもあれは明らかにわざと故意的にそしてチームを鼓舞するというか自分の中で一回何かを切るというかいろんな意味の含まれていたもののような気がする。 この試合を見て感じたことはENGLANDは明らかにゲームを支配していた。半分以上支配というよりもコントロールしていたというべきかもしれない。でもそれでも負ける時は負ける。一瞬の気の緩みも許されない。それは監督の戦術、ゲームプラン、そしてそれに対しての選手の任務遂行+アルファの力が左右していた。対してフランスはゲームをコントロールできなかった。自分たちがボールを持っているときでさえそれはイングランドにコントロールさせられていたように見えた。逆にボールを持たされていてサイドから中にボールを入れさせられていたように見えた。サッカーは戦術が全てじゃない。 監督は一旦試合が始まってしまうと選手の気持ちの部分までコントロールできない。ありとあらゆるものがあのピッチの中にはある。あらゆるものすべてはつながっている。 結局RUNEYを止めたシルベストルのあのファールがチームを救ったということなのかもしれない。あのファールがなかったらあの後抜けて点をとられてトドメというか息の根を止められていたかもしれないのだから。いい試合だった。興奮した。 イングランドのファンは後半の途中くらいから国歌GOD SAVE THE QUEENとか歌ったりして完全に浮かれていた。しかし甘かった。
by intervalo
| 2004-06-13 18:12
| EURO2004
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